2022(令和4)年度の展示
春季企画展「平安時代の出雲-人びとのくらしと祈り-」
会期:令和5年3月4日(土)~5月29日(月)
 【展示概要】
 出雲には『出雲国風土記』が残るため、奈良時代の出雲については、これまでも多くの研究が行われ、関連の展覧会も開催されてきました。
 一方で、奈良時代に続く平安時代については史資料が少なく、注目を集めることはありませんでした。
 最近の研究によれば、平安時代の中ごろの日本では極端な乾燥と湿潤の年が繰り返されたことが分かってきました。こうした異常気象の中で、疫病が流行したことも記録に残っています。そして、出雲を含めて各地では戦乱が起き、人びとの間の格差も広がりつつありました。
 異常気象、疫病、戦乱、格差と現在の社会にも通じるような環境の中で、平安時代の出雲の人びとはどのように暮らし、幸せを祈ったのでしょうか。考古資料を中心に考えます。
 【関連講演会】 定員に達したため、受付を終了しました
 「平安出雲の事件簿-平安時代の出雲で何が起きたのか-」
 日 時:3月21日(火・祝)14:00~16:00
 講 師:髙橋 周(当館学芸員)
 受講料:無料
 ※オンライン配信予定(ご希望の方はyayoi@city.izumo.lg.jpまでお問い合わせください。)
~申し込みについて~
  定員:50人
  事前申し込みが必要です。
  定員になり次第締め切ります。
  申込方法:電話・FAXでお申し込みください。
    電話:0853-25-1841
    FAX:0853-21-6617
 【ギャラリートーク】
  3月25日(土)、5月20日(土)   いずれも10時から
 

ギャラリー展「ハエのさなぎから探る古代の葬式」
会期:令和5年3月1日(水)~7月3日(月)
【展示概要】
  弥生・古墳時代の葬式は、埋葬前、モガリ、埋葬時、埋葬後に儀礼が執行されました。その中のモガリは、死を確認し墓に埋葬するまでに執行されました。考古学では、ハエのさなぎ殻が副葬品に付着している事例から、モガリが行われたことを推測しています。今回は、山陰や奈良県の副葬品に付着したハエのサナギ殻を展示し、弥生・古墳時代のモガリについて紹介します。
 【ギャラリートーク】
  3月4日(土)、4月16日(日)、5月13日(土)、6月4日(日)
  いずれも10時から
 

速報展「旧大社駅 瓦のデザイン」
会期:令和5年2月1日(水)~5月29日(月)
【展示概要】
  明治時代のはじまりとともに、わが国に西洋建築の技術が導入されました。一方その技術を受容する中で、日本の伝統建築が注目されていきます。
 明治の中ごろには、日本にふさわしい建築様式をつくろうとする動きがでてきました。建物全体の構造を「西洋風」でつくり、外観を「和風」の意匠とする方法です。西洋を意識したうえで、日本の伝統を生かす新しい様式は、後に「近代和風建築」と呼ばれるようになります。
 大正13年(1924)に建設された旧大社駅本屋は、「近代和風建築」の傑作として、平成16年(2004)に重要文化財に指定されました。今回の速報展では、旧大社駅の「和風」をあらわす「瓦」にスポットをあてます。
 現在実施中の旧大社駅保存修理事業において、一旦取り外された実物の瓦を紹介し、旧大社駅の魅力に迫ります。

 
旧大社駅外観(修理前)

 
亀の留蓋瓦

冬季企画展「鉄と船でたどる出雲~古文書をひもとく~」
会期:令和4年11月26日(土)~令和5年2月6日(月)
【展示概要】
 出雲市文化財課では現在、出雲市内の古文書の所在調査を行っています。古文書は地域の歴史をひもとくための重要な手がかりです。
 今まで2回のギャラリー展で出雲のたたら製鉄について紹介してきました。今回の企画展では、出雲市内の古文書を通して、出雲のたたら製鉄を代表する田儀櫻井家とその鉄製品を運んだ廻船業者について紹介します。
 そして、明治維新を迎え近代に突入した出雲のたたらと廻船はどのように変化していったのか、江戸時代から明治時代へと移り変わる出雲の歴史を、鉄と船からたどります。
 そもそもたたら製鉄って何?田儀櫻井家って?出雲の鉄の生産・流通を共に担った田儀櫻井家と廻船業者のつながりは?といった疑問に対しても分かりやすく解説します。
 【主な展示品】
 ・「鉄山証文小日記」(出雲市・田儀櫻井家文書)
 ・「年々見合帳」(出雲市・田儀櫻井家文書)
 ・庖丁鉄(雲南市・鉄の歴史博物館)
 【ギャラリートーク】
  12月17日(土)、1月21日(土)
  いずれも10時から

 

 
年々見合帳・鉄山証文小日記

ギャラリー展「いにしえのボードゲームー双六・樗蒲・囲碁・将棋ー」
会 期:令和4年11月2日(水)~令和5年2月27日(月)
 【展示概要】
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、新しいライフスタイルが求められて、間もなく3年となります。その中で、「ステイホーム」「おうち時間」といった言葉を耳にするようになり、私たちの余暇の過ごし方は変化していきました。
 今回の展示では、むかしの人たちが余暇に楽しんでいた「ボードゲーム」に注目します。ゲームに熱中する人びとの姿は、今もむかしも変わりません。とりわけ、江戸時代以前には、盤双六・樗蒲(かりうち)・囲碁・将棋といったボードゲームが親しまれました。
 むかしの人たちが、こうしたボードゲームをどう遊び、どのような思いで興じていたのかということを紹介するとともに、実際に遊んでみて体感して頂ければと思います。
 【主な展示品】
 ・双六盤を描写した土器(出雲市・佐利保谷遺跡)
 ・樗蒲の盤を描写した土器(出雲市・古志本郷遺跡)
 ・日本最古の将棋盤(出雲市・高浜Ⅰ遺跡)
 【ギャラリー展関連体験講座】
 「みんなで遊ぼう!むかしのボードゲーム・盤すごろく」
  日時:12月17日(土)14:00~16:00
  講師:木子 香 氏(大阪電気通信大学)
  受講料:無料
  内容:オリジナルのすごろく盤を作成して、実際にむかしの方法で遊んでみます。盤は持ち帰ることができます。年齢問わず、どなたでもご参加できます。

 ~申し込みについて~
  定員:15組(2人以上でご参加ください)。
  事前申し込みが必要です。
  定員になり次第締め切ります。
  申込方法:電話・FAXでお申し込みください。
    電話:0853-25-1841
    FAX:0853-21-6617
 【ギャラリートーク】
   12月4日(日)、1月15日(日) いずれも10時から

 

速報展「その土器なぜ伏せた?ー大塚遺跡の発掘調査速報ー」
会 期:令和4年9月28日(水)~令和5年1月30日(月)
 【展示概要】
 大塚遺跡(出雲市大塚町)は出雲平野のほぼ中央に位置する遺跡です。今回の速報展では、2020(令和2)年に実施した発掘調査の成果をご紹介します。
約250㎡の調査区内に遺構が濃密に分布しており、古墳時代中期から後期頃(5~6世紀)の遺物も多く出土しました。
 なかでも、注目したいのが土師器の甕2点を埋納した穴です。穴の底へ半分に割った甕を置き、その上に完形の甕を伏せていました。特異かつ丁寧に組み合わされた出土状況から、これらの甕は意図的に穴へ埋納されたと考えられます。この甕の埋納行為には、どのような目的があったのでしょうか。
 今回の展示では、出土した甕を使って埋納状況を再現しつつ、甕の埋納にこめられた目的を解説していきます。ぜひこの機会にご覧ください。


穴に埋納された甕 

夏季企画展「祈りが込められた副葬品」
会 期:令和4年7月23日(土)~10月17日(月)
 【展示概要】
 昨年の冬季企画展では、「弥生墳丘墓に供えられた食器」と題して、墓上から出土した土器を多く展示しました。今回は、主に土器以外の弥生時代後期から古墳時代後期にかけての副葬品を取り上げます。副葬品は、時代が進むにつれ豪華になり、また、被葬者の権威の違いにより種類や質・量が変化します。これらの副葬の様子を紹介し、当時の人たちが墓で副葬品を使って儀礼を執行していたことを紹介します。
 【主な展示品】
 弥生時代後期 波来浜B区1号墳(江津市)     銅鏃・鉄鏃
        順庵原1号墓(邑南町)       ガラス玉
 古墳時代前期 松本1号墳(雲南市)        斜縁獣帯鏡
        中峰2号墳(倉吉市)        ヤリガンナ
        金蔵山古墳(倉敷市)        滑石製刀子
        中山古墳(邑南町)         方形革綴短甲
 古墳時代中期 月坂放レ山古墳(安来市)      短甲
        金崎1号墳(松江市)        鉄矛・須恵器
 古墳時代後期 丸小山1号墳(奥出雲町)      須恵器
        平ヶ廻横穴墓(雲南市)       金銅装刀子
 【関連講演会】  定員に達したため、受付を終了しました。
 演 題:「古墳と神僊(しんせん)思想」
 日 時:9月11日(日)14:00~16:00
 講 師:加藤 一郎 氏(宮内庁書陵部)
 受講料:無料

~申し込みについて~
  定 員:50名
  事前申し込みが必要です。
  定員になり次第締め切ります。
  申込方法:電話・FAXでお申し込みください。
    電話:0853-25-1841
   FAX:0853-21-6617
 【ギャラリートーク】
  7月23日(土)、8月7日(日)、9月4日(日)、10月1日(土)
   いずれも10:00~

 
 
釜代1号墳の内行花文鏡(4世紀)松江市蔵

ギャラリー展「いつまでも戦後でありたい2022
                旧大社基地の調査速報」
会 期:令和4年7月6日(水)~10月31日(月)
【展示概要】
 出雲市は、昨年12月、旧海軍大社基地の中心施設であった主滑走路の記録を取る調査を行いました。
 旧大社基地の調査や研究は、これまで史料や証言を基に進められてきましたが、このたびの調査は基地施設を対象とした初めての広範囲に及ぶ実地調査です。
 今回の展示ではこの調査成果を紹介します。 
 【ギャラリー展関連講演会】  
   「出雲に残る戦争の爪痕~旧大社基地を中心に~」
  日 時:10月30日(日)14:00~16:00
  講 師:三原 一将(出雲弥生の森博物館)
  受講料:無料

~申し込みについて~
  定 員:50名
  事前申し込みが必要です。
  定員になり次第締め切ります。
  申込方法:電話・FAXでお申し込みください。
    電話:0853-25-1841
   FAX:0853-21-6617
 【ギャラリートーク】
 7月17日(日)、8月28日(日)、9月18日(日)、10月16日(日)
 いずれも10時から
 ※展示の見どころを担当学芸員がわかりやすく解説します。


旧大社基地の主滑走路跡(南西から)

速報展「源代遺跡の発掘調査ー風土記に記された川の跡ー」
会 期:令和4年6月1日(水)~9月26日(月)
 【展示概要】
 源代遺跡は出雲市国富町と西郷町にまたがって広がる遺跡です。今回の速報展では小学校建設予定地で2020(令和2)年に実施した発掘調査の成果を紹介します。
 今回の発掘調査地点では、『出雲国風土記』(733年編纂)に記された河川である「宇加川」と考えられる川の跡を発見しました。
 出土遺物の中で特に注目されるのが古代の墨書土器です。土器の表面をよく観察すると、墨書きされた「楯」(楯縫郡の意か)と推定できる文字や「夲」(奉るの意か)の文字が確認できます。古代の役所や祭祀にかかわる場で使用されたものでしょう。
 『出雲国風土記』の記載と展示品の数々を重ね合わせ、当時の風景に思いを馳せてはいかがでしょうか。この機会にぜひ一度ご覧ください。
 
土器に墨書きされた文字(左:「楯」か 右「夲」)


過去の展示のご紹介
 ・2021(令和3)年度
 ・2020(令和2)年度
 ・2019(令和元)年度
 ・2018(平成30)年度

 ・2017(平成29)年度
 ・2016(平成28)年度
 ・2015(平成27)年度
 ・2014(平成26)年度
 ・2013(平成25)年度
 ・2012(平成24)年度

 ・2011(平成23)年度
 ・2010(平成22)年度



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