2015(平成27)年度開催の展示

ギャラリー展「西谷古墓と長者原廃寺」
開催期間:平成28年2月3日(水)~6月6日(月)
観覧料:無料
【展示概要】 
 弥生時代から墓域として利用された博物館周辺の「西谷の丘」ですが、そこで最後につくられた墳墓が奈良時代後期の西谷古墓(にしだにこぼ)です。
 西谷古墓は火葬した人骨を須恵器に納めた火葬墓で、「西谷の丘」周辺は出雲でも古代の火葬墓が特に集中する地域です。また、近くには寺院「長者原廃寺(ちょうじゃばらはいじ)」が建てられ、古代の祈りの場にもなっていました。
 今回の展示では「西谷の丘」周辺の火葬墓や寺院の瓦の特徴などから、当時の文化について考えます。





長者原廃寺の軒丸瓦・軒平瓦

特別展「出雲王 登場 -とことん解剖 西谷3号墓-」
開催期間:平成28年3月5日(土)~5月9日(月)
観覧料:500円 
※高校生以下無料
【展示概要】 
 弥生時代の終わり(2世紀後半)、出雲平野に巨大な四隅突出型墳丘墓・西谷3号墓が築造されました。西谷3号墓は島根大学考古学研究室によりとことん解剖(発掘)され、多くの成果がわかってきました。
 展示では、出雲王の特異な埋葬と儀礼に注目し、弥生時代の出雲王に迫っていきます。


【主な展示品】
 ・出雲市 西谷3号墓
    (装身具・鉄剣・土器)
 ・倉敷市 楯築墳丘墓出土品
    (装身具・鉄剣・土製品)
 ・真庭市 中山遺跡出土品
    (吉備の特殊壺・特殊器台)
 ・北朝鮮 楽浪郡出土品
    (装身具・青銅製品・土器)

【関連講演会】
 第1回 「西谷墳墓群の四隅突出型墳丘墓」
      開催日:1月30日(土)
      講 師:坂本 豊治(出雲弥生の森博物館)

 第2回 「西谷墳墓群のガラス製品と古代出雲」
      開催日:3月5日(土)
      講 師:小寺 智津子 氏(日本学術振興会特別研究員)

 第3回 「吉備と出雲の王墓」
      開催日:3月21日(月・振休)
      講 師:春成 秀爾 氏(国立歴史民俗博物館名誉教授)


【関連体験講座】
 「弥生時代の土器づくり」
  開催日:12月12日(土)

  講 師:坂本 豊治(出雲弥生の森博物館)
  ※作製した土器の模型は特別展で展示


【ギャラリートーク】
 日時:3月6日(日)  14:00~
    4月30日(土) 11:00~、14:00~
    5月7日(土)  14:00~

速報展「祇園原Ⅲ遺跡の発掘調査成果」
開催期間:平成28年3月30日(水)~4月25日(月)
観覧料:無料
【展示概要】 
 出雲市文化財課では、平成27年度県道斐川上島線の建設に伴い、斐川町直江~三絡地内に所在する「祇園原Ⅲ遺跡(ぎおんばらさんいせき)」の発掘調査を行いました。
 調査は、平成27年7月から平成28年1月まで約7ヶ月間行い、奈良・平安時代を中心とする600点余りの遺物や炭焼き跡が確認できました。
 今回の速報展では、調査で出土した遺物や現地で確認した遺構の写真パネルなどを展示し、調査の成果をご紹介します。


【主な展示品】
 ・遺跡調査時の写真パネル
 ・発掘調査出土遺物
   矢じり
   弥生土器
   須恵器(鉄鉢形須恵器・壺・坏)




祇園原Ⅲ遺跡(南から)

速報展「祝 国史跡『鰐淵寺境内』記念展」
開催期間:平成27年11月25日(水)~3月28日(月)
観覧料:無料

【展示概要】 
 北山の山中に厳かにたたずむ古刹・鰐淵寺。その境内地が、11月20日(金)に開催された国の文化審議会文化財分科会の審議・議決を経て、平成28年3月1日の官報告示により正式に国史跡になりました。出雲市では12番目、島根県では52番目の国史跡です。
 文化財課では、これを記念して「鰐淵寺境内」の文化財・出土品とともに、国史跡指定に向けたこれまでの道のりを速報展示でお伝えします。
 記念すべき節目を迎えることとなった鰐淵寺境内の姿を詳しく解説します。ぜひご覧ください。

【主な展示品】
 ・パネル展示
  「国史跡指定へのみちのり」
   鰐淵寺境内の文化財
   境内地の領域
   発掘調査の成果
 ・発掘調査出土遺物  
   中世の中国製陶磁器
   中世備前焼

 


紅葉に包まれる鰐淵寺根本堂




出土した陶磁器類

ギャラリー展「発掘された戦争遺跡ー地下の遺構やモノが語る戦争ー」
開催期間:平成27年9月30日(水)~2月1日(月)
観覧料:無料

【展示概要】 
 戦後70年を迎え、今年は「戦争」について考える行事や展示が各地で行われ、平和・不戦の思いを再認識する一年となっています。そうした中、減少していく戦争体験者に代わり、「戦争」の様相を伝える場として戦争遺跡の保存活用を図る動きが広がっています。一方で、戦争遺跡の評価をめぐっては課題も多く、埋蔵文化財として調査された遺跡は多くありません。
 今回の展示では、埋蔵文化財として調査が行われた全国の戦争遺跡を取り上げ、遺跡が伝える「戦争」を感じていただければと思います。





終戦時の状態のまま見つかった地下通信施設
(小倉造兵廠跡/北九州市芸術文化振興財団提供)

秋季企画展「いつまでも戦後でありたい-出雲市民と戦争-」
開催期間:平成27年10月31日(土)~12月21日(月)
観覧料:無料
【展示概要】
 「“戦後何年”という言い方がずっと続いて欲しい」
 これは1945年(昭和20)生まれの吉永小百合さんの言葉。年齢=平和が続く年数との思いです。
 今年は、先の大戦の敗戦から70年という節目の年です。
 実は、わが出雲市(旧出雲市)は太平洋大戦の直前に誕生しました。1941年11月3日「出雲市」が設置され、市議会選挙開票翌日が12月8日。開戦を告げる臨時ニュースが流れた日でした。
 あらためて、郷土と戦争との関わりを考えてみたいと思います。

【主な展示品】
 ・兵役抽籤くじ
 ・大阪真田山陸軍墓地墓標(写真)
 ・平田愛宕山と斐川興林寺の紀念碑
  および北浜ロシア兵墓標(写真)
 ・明治時代監視哨跡出土遺物
            (隠岐の島町)
 ・斐川段原鉄橋の弾痕(写真)
 ・松江大橋陶製擬宝珠(松江市)
 ・北浜防空監視所跡出土遺物
 ・亡き父を追悼する石碑








展示のようす
【関連講演会】
 第1回 「戦争遺跡・遺物から見えるもの」
      開催日:11月22日(日)
      講 師:原田 敬一 氏(佛教大学歴史学部教授)

 第2回 「本土決戦に備えた陣地を掘る -「チ号演習」関連遺構の調査-」
      開催日:12月13日(日)
      講 師:佐伯 純也 氏(米子市文化財団埋蔵文化財調査室)


【ギャラリートーク】
 日時:10月31日(日) 13:00~
    11月28日(土) 13:00~

速報展「金属製品を保存する~金・銀・銅・鉄の保存処理~」
開催期間:平成27年8月26日(水)~11月23日(月)
観覧料:無料

【展示概要】
 博物館には、遺跡の発掘調査や遺物の整理・研究を行っている「出雲市文化財課 埋蔵文化財係」=通称"まいぶん"という部署があります。
 博物館で展示されている資料は、"まいぶん"の発掘調査によって明らかになったものばかりです。
 そんな"まいぶん"のお仕事を、展示でご紹介しよう!というのが、新しい速報展企画「まいぶんのお仕事紹介」です。
 第1弾は、「発掘調査で出土した遺物を保存する」お仕事です。
 今回は、金・銀・銅・鉄といった金属で作られた遺物の「保存処理」をご紹介します。
 金属製品をサビや腐食から守り、未来へ残していくための大切な仕事を、処理を終えたばかりの遺物とともに展示し、詳しく解説します。ぜひご覧ください。

【主な展示品】
 上塩冶横穴墓群(第40支群)
  ・金環、銀環(耳環)
  ・鉄製大刀、鉄製馬具、鉄鏃
 杉沢遺跡・杉沢Ⅱ遺跡
  ・鉄斧、鉄鎌
 杉沢横穴墓群
  ・鉄製刀子、鉄釘



鉄製品のさび落とし作業 




金環(耳飾り)のビフォーアフター
左:処理前   右:処理後


ギャラリー展「出雲市文化財指定記念 北光寺古墳と出雲平野の前方後円墳」
開催期間:平成27年6月3日(水)~9月28日(月)
観覧料:無料

【展示概要】
 北光寺古墳(東神西町・知井宮町)は墳長が64mで、出雲平野では今市大念寺古墳に次ぐ規模の前方後円墳です。古墳時代中期(5世紀)の出雲平野西部を代表する古墳であり、保存状態も良好であるため、平成27年1月28日に出雲市指定の文化財となりました。今回の展示はこれを記念して開催します。
 出雲平野西部を代表する北光寺古墳を、写真やパネルで解説するとともに、出雲平野の主要な前方後円墳も紹介します。




植林前の北光寺古墳
(昭和57年撮影・米山広志氏提供)
【現地見学会】
 日時:6月6日(土)9:00~12:00 
 講師:西尾 克己 氏(大田市教育委員会石見銀山課特別講師) ほか


夏季企画展「出雲の「ごっつぉ(ご馳走)」の考古学」
開催期間:平成27年7月4日(土)~8月31日(月)
観覧料:無料

【展示概要】
 食べることは、人が生きるためには欠かせないことです。そのため、長い歴史の中で、人びとは食べるために様々な調理法や道具を生み出しました。
 今回の企画展では、出雲地域を中心に人びとが、何を食べ、どのように調理していたのか、考古学の成果から分かりやすく展示します。

【主な展示品】
 ・炊飯痕跡が残る弥生土器、土師器
  (矢野遺跡、山持遺跡〈出雲市〉ほか)
 ・移動式竃、甑、甕
  (古志遺跡〈出雲市〉)
 ・墨書土器「蘇」
  (神庭丘陵北遺跡〈出雲市〉)
 ・三方、折敷、漆器椀、箸
  (高浜Ⅰ遺跡〈出雲市〉)


【関連講演会】
 「再現!戦国大名・大内氏の御膳」
  開催日:8月9日(日)
  講 師:北島 大輔 氏(山口市教育委員会)


【関連体験教室】
 「弥生人の方法でご飯を炊いて、食べてみよう!」
  開催日:7月20日(月・祝)
  講 師:濵野 浩美 氏(米子市教育委員会)

【夏休み子ども講座】
 「弥生のコメはどんなコメ?!」
  開催日:8月8日(土)
  講 師:髙橋 周(出雲弥生の森博物館)
  ※トークと食味体験をします。

【ギャラリートーク】
 日時:7月18日(土)14:00~15:00

速報展「鰐淵寺の文化財~寺宝と発掘調査成果~」
開催期間:平成27年4月22日(水)~8月24日(月)
観覧料:無料

【展示概要】
 北山の山中で厳かにたたずむ古刹・鰐淵寺。推古2年(594)と伝えられる開創から今日に至るまで、仏の教えと寺宝である貴重な文化財を守り伝えてきた、歴史ある寺院です。 
 平成21年度(2009)から3年間、島根大学ほかによる鰐淵寺の総合調査が実施されました。さらに、平成22年度(2010)から6年をかけて、市文化財課が発掘調査と分布調査を行いました。その結果、鰐淵寺は古代(11世紀以前)から修験の場として信仰され、中世(13~16世紀)に最盛期を迎えたこと、現在も中世と変わらぬ姿が維持されていることなどがわかりました。
 今回の速報展では、一連の調査で明らかとなった鰐淵寺の姿を、写真パネルと出土遺物を通してお伝えします。出雲市が誇る山陰随一の古刹で紡がれてきた、歴史の糸をたどってみましょう。
 



鰐淵寺根本堂

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