希少種のトキ。なぜ出雲市が飼育をしているのか。

 それは、出雲市と中国の漢中市との友好都市としての歩みの中で出てきた話です。

 出雲市と漢中市が友好都市協定を締結したのは平成8年。漢中市洋県にある陝西トキ救護センターのトキの認養を開始したのは平成12年からでした。

 出雲市がトキの認養を開始した平成12年、日本では佐渡トキ保護センターにしかトキはいませんでした。佐渡では前年の平成11年に友友、洋洋が到着し、同年優優が誕生しました。平成12年は優優のペアリング相手として美美が中国から届いた、そんな年でした。

  平成15年に日中両国間で締結された日中トキ保護計画には日本側の主なトキ保護事業は「トキ保護増殖事業計画」に従って進めるとされており、平成5年に作られた「トキ保護増殖事業計画」は佐渡トキ保護センターにおいて飼育するとされていたのです。

 しかし、平成16年に「トキ保護増殖事業計画」は変更され、分散飼育の考え方が取り入れられると、出雲市はトキの分散飼育地として認めてもらうべく、漢中から講師に来ていただいて講演会を開催したり、飼育員の養成や、トキ近似種の飼育を開始しました。トキ近似種のアフリカクロトキでも人工ふ化、人工育雛、自然ふ化に成功しました。

 平成20年には分散飼育地としての決定を受け、平成21、22年度に出雲市トキ分散飼育センターを建設。

 平成23年1月22日に佐渡トキ保護センターから2ペア(4羽)のトキが出雲にやってきて、出雲での分散飼育が開始しました。

 漢中からトキを連れて来て飼育しようという構想から始まりましたが、佐渡トキ保護センターで飼育しているトキの分散飼育という形で出雲市にトキがやってきたのです。

 

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