出雲市トキ学習コーナーでは出雲で飼育しているトキのライブ映像を見ていただけるほか、人間とトキがたどってきた歴史や、トキの生態や現状を知っていただけます。また、トキ一般公開施設では、飼育施設をガラス越しに、直接見ることが出来ます。トキのトキ色といわれる美しい羽色をご覧いただけます。
トキ保護増殖事業計画がうまく進めば、トキはいずれ普通の鳥になります。かつて出雲の空を飛び、エサをついばんでいたトキが再び出雲の空に戻り、今、コサギやカラスがそうしているように普通の風景としてトキがみられる日が来ます。そのときにトキを再度絶滅の危機に追いやることの無いよう、何ができるかを考えなくてはなりません。
出雲でトキを放鳥するという計画はいまのところありませんが、佐渡で放鳥されたトキは、本州にも飛来している個体がいますので、本州に飛んできているトキがいつ出雲に飛んできてもおかしくはありません。また、令和元年5月22日には、韓国でも40羽を放鳥していますので、対馬を伝って、九州から出雲に飛んで来るかもしれません。もし、そうなった時に、飛来したトキは出雲に定着してくれるでしょうか?
出雲にはトキが暮らしていける安全なエサがあるでしょうか?
巣をかける木があるでしょうか?
1羽のトキが1日に食べるエサの量は?
何を食べるのか?
どこで食べるのか?
いつ食べるのか?
農薬や化学肥料はトキにとって安全か?
どこで寝るのか?
巣を作るのに適した木は?
トキが生きて行ける環境があるということは、人間にとってもいい環境だと考えます。
ドジョウが生きて行けない田んぼで作られるお米とドジョウもいる田んぼでとれたお米では味が違って感じるかもしれません。トキが気に入ってくれるような農業を進めていきます。