出雲くにびきマラソン大会が始まったのは、昭和57年(1982)の島根国体の
開催準備と国体気運盛り上げに必死になっている昭和56年のことです。島根国体
のテーマが、神話の国にふさわしく「くにびき国体」と名づけられ、くにびきの神
“八束水臣津野命(やつかみづおみつぬのみこと)”が祀られる出雲の「長浜神社」
をスタート・ゴールに、神話の舞台「薗(その)の長浜」の地で、「くにびきマラソ
ン大会」が昭和56年(1981)10月25日に産声をあげました。
 第1回大会は、神在月(かみありづき)の日に、山陰各地から市民ランナー517人
の参加で3km、5km、10kmのコースで盛大に開催しました。
 第2回大会は「くにびき国体」開催の年のため、翌昭和58年(1983)3月27
日に延期し、新たに1.5kmの小学生コースも加え811人の多数の参加者を得て開催
しました。
 第3回大会からは、くにびきの神“八束水臣津野命”が出雲の国土創成の神として祀
られていることにちなんで、開催日を毎年2月11日の「建国記念の日」に開催するこ
とに決定しました。その後、参加者も年を追うごとに増加し、昭和60年(1985)
の第4回大会にはついに1,000人を超え、1,315人の参加がありました。
 昭和63年(1988)の第7回大会からは、参加者の増加で「長浜神社」が狭あい
になったため、スタート・ゴール地点を長浜西部コミュニティセンターに変更し、
1.5kmの小学生コースも2kmに延長し新たなスタートを切りました。
 平成4年(1992)の第11回大会では、ついに参加者が2,000人を突破し、
2,353人の参加で開催しました。また、この大会で、初めて視覚に障がいのある
方の参加があり、市職員5人がリレー形式で伴走しました。その様子は、BSS山陰放
送で放映され、多くの方から感激の手紙が寄せられました。これを期に、市民レベルの
ボランティアを募集したところ多数の申し出があり、平成5年(1993)1月25日、
伴走ボランティア組織「愛(アイ=目)走フレンズ」が68人の登録者により発足しま
した。
 平成5年(1993)の第12回大会には、8人の視覚に障がいのある方のエントリ
ーがあり、「愛走フレンズ」に支えられた「やさしい大会」として、新たな脚光を浴び
ることになりました。また、平成14年には愛走フレンズの10年間の継続したボラン
ティア活動が認められ、第15回ランナーズ賞を受賞しました。
 平成6年(1994)の第13回大会からは、スポーツ・文化の交流のステージ「出
雲ドーム」に舞台を移し、全国から2,498人の参加者と23人の視覚に障がいのあ
るランナーを迎え、盛大に開催しました。
 平成7年(1995)第14回大会は、全国の市民ランナーからの強い要望に応えハ
ーフマラソンコースを新設。再び「くにびきマラソン誕生の地」長浜神社を訪れるコー
スを設け、さらに10kmコースを公認コースとし、2,638人の参加者が晴天の出
雲路を駆け抜けました。また、この大会の約1ヶ月前に起きた阪神大震災被災地へ、大
会関係者・参加者の皆さんのご協力により多額の義援金を送ることができました。
 平成8年(1996)の第15回記念大会では、走る側も見る側も楽しめる公認のハ
ーフマラソンコースを設置するとともに、女子実業団の「パナソニックエンジェルス」
及び男子大学駅伝でこの年の箱根駅伝の覇者「中央大学」を特別招待し、2,810人
の参加を迎えて開催しました。
 平成13年(2001)の第20回記念大会では、学生3大駅伝の全てを制覇し、三
冠の偉業を達成した順天堂大学から3人の選手を招待し、大会は盛りあがりました。ま
た、第25回大会は、新「出雲市」発足記念として開催しました。大会にあわせ、パナ
ソニック女子陸上競技部顧問の横溝三郎様の講演や、中国電力陸上競技部によるランナ
ーズスクールを開催しました。
 第28回大会から、コース周辺の交通事情などの理由により、主会場をこれまでの出
雲ドームから島根のスポーツの中心施設がある「浜山公園」に移して大会を開催してい
ます。
 第30回の記念大会では、パナソニックエンジェルスのトップランナー中村仁美選手、
山崎里菜選手、オリンピックランナーの尾方剛選手、大学駅伝シーズン三冠の早稲田大
学の選手と3,000人を超える参加者が、早春の出雲路で健脚を競いました。
 第35回大会も、申込者が8回連続して3,000人を超え、大会が盛り上がりまし
た。招待選手として、パナソニック女子陸上競技部から2名、中国電力陸上競技部から
1名、青山学院大学陸上競技部から2名の選手を招き、出雲路を市民とともに走ってい
ただきました。
 このように、本大会は、ますます多くのランナーから支持される大会として成長して
います。
 第36回・第37回大会は大雪により大会の開催を中止したため、第38回大会は、
開催日を2月最終日曜日に変更し、無事開催できました。
 第39回大会は、開催日を3月第1日曜日に変更しましたが、新型コロナウイルス感
染症の全国的な拡大により、中止となりました。
 翌令和3年(2021)、令和4年(2022)は、新型コロナウイルス感染症の状
況を鑑み、第40回大会を延期し、大会規模を縮小した「出雲くにびきミニマラソン大
会」を3月に開催し、コロナ禍において走る機会に恵まれていなかった多くのランナー
に楽しんでいただくことができました。
 そして、令和5年(2023)3月には、感染症対策を図りながら、従来の大会に近
い規模で「第40回記念大会」を開催し、全国から2,531人を迎え、盛大に終える
ことができました。

 

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