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 川跡は出雲市街地の北部に位置し、北に国引き神話で名高い北山の連峰を仰ぎ

南は簸川平野を隔てて遠く南山を望み、東に斐伊川の大堤防、西に杵築の海に続く

平野で囲まれた山のない地域であります。
川跡地域は読んで字のごとく川の跡です。その川とは斐伊川で昔は川跡地区の大部

分が斐伊川でありました。斐伊川はその源を仁多郡横田町の船通山に発し、70有余

の支流を持ち、総延長160キロメートルの本県第二の大川です。斐伊川は天井川と

言われ、川底は川跡地区の二階建ての家屋の高さで、斐伊川の堤防の持つ役割は

居住民にとって重大な意味を持っています。即ち灌漑用水として大きな役目を果たす

一方、ひとたび洪水となれば、その被害は甚大であります。

 川跡地区は出雲市の中心市街地より2〜6kmの距離にあり、東西南北概ね4km、

面積にして5.4kuでかつては築地松が点在し、環境や景観が良く、のどかな田園

風景も広がり豊かな農村地帯でありました。

 近年、出雲市のベットタウンとして宅地化が進み、住宅やアパート、マンションなど

の建設が目立つようになりました。特に地区の中央には東西を走る県道161号線

(斐川・出雲・大社線)が通り周辺には商業施設の事業所や商店、店舗、公共機関等

の進出で急速に市街地化、都市化の様相を呈し大きく発展してまいりました。

 また、出雲市で策定された21世紀出雲のグランドデザインでは、出雲北部健康福

祉ランド、健康と福祉の里構想に基づき近くには、健康、福祉、医療の拠点として、県

立大学出雲キャンパス、北山温泉、すぱーく出雲、ハートピア出雲、ふぁっとなどを核

とした福祉ゾーンの整備がされています。

 令和3年3月31日現在の世帯数は4,035戸、人口10,159人で昭和30年との

比較で世帯数8.4倍、人口3.6倍となり、出雲市43地区のなかでは世帯数・人口が

4番目に多い地区です。

 平成12年から出雲市都市計画事業北部第二土地区画整備事業が着工され、市道

今市・川跡・日下線の拡幅整備と国道9号バイパスの新設等、地域住民の生活基盤

が更に整備され、地域振興の発展と活性化に大きな期待が寄せられています。また

新出雲体育館建設予定地が県立大学出雲キャンパス周辺に決定したり、全国展開

の大型スーパーマーケットの出店など、今後ますます発展が見込まれます。

 川跡地区には、東に一級河川斐伊川が南北に走りその護岸広場を利用した斐伊川

河川敷公園があり、野球場・ゲートボール場・多目的広場などが整備され、年間を通

して地区内外から多く利用者があり、軽スポーツの普及振興と体力づくりに大きく貢

献しています。

川跡地区ではコミュニティセンターを拠点に、様々な地域活性化の取組みを展開し

ています。自治協会、各団体、コミュニティセンターや教育機関が一体となり地区を

あげて取り組むイベントをはじめ、まちづくり、健康・スポーツ、次世代育成、福祉、

交通安全、環境保全などの取組みを活発に行っています。

 特に川跡地区は年間110人を上回る新生児が生まれています。地域の活動も子

育て支援事業に力を入れ『地域の力で子どもが変わる 大人も変わろう!』をテーマ

に地域で子育てをする気運が高まっています、したがって「子育てしやすい川跡地区

として移入してくる若い世代も増えています。
 また川跡地区では、環境保全活動に力を入れ、子ども達からのエコ発信として、毎

年「環境エコまつり」も開催しています。また同好会やサークルによる文化・スポーツ

活動も盛んです。年間を通して各種競技が行われる「出雲地域スポーツ・レクリエー

ション祭」では川跡地区は毎年優秀な成績をおさめています。

コミュニティセンター施設の利用者数も市内で群を抜いており、川跡地区の地域活

性化の取組は出雲市で最も進んでいる地区と言えます。一方、急増するアパート入

居者による町内結成は少なく、自治協会加入率は年々減少し、現在は46.4%に止

まっており地域活性化の大きな課題となっています。

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