認知症になっても、住み慣れた地域で顔なじみの関係を保ちながら安心して暮らし続けるためには、地域や周囲の理解が大切です。
家族や身近に暮らす近所の人などが、早い段階から認知症に気付く知識を持っていれば、早期の受診につながり、薬によって進行を遅らせることもできます。また、認知症の人への関わり方に気をつけることで、症状を和らげ、進行を遅らせることもできます。周囲の理解と気遣いがあれば、穏やかに暮らしていくことができます。
地域で一体となり、認知症の人の見守り活動を進めている北浜地区の取り組みを紹介します。
地域で見守る
北浜地区は、426世帯で高齢化率34%と高齢化が進んでいる地区で、家屋が密集している漁村の集落です。この地区は、以前から地域の皆さんによる高齢者の見守り活動が行われていました。
北浜地区での認知症の人の見守り活動について、地元民生児童委員の山根貞さんに伺いました。
山根 民生児童委員 のお話から〜
北浜地区は住宅が密集していることもあり、以前から地域で高齢者の見守り・声がけをしていましたが、認知症については周囲の理解が得られず、本人に対しきつい言葉をかけてしまうこともありました。
今から5年前、ある認知症高齢者の家族が、地区の会合で家族が認知症であることを公表されたことをきっかけに、それまでの認知症への偏見が見守りに変わり、「おんぼらと」地域で見守るようになりました。
例えば、次のような見守りです。
*「里(実家)に帰る」と歩いている高齢者を、一緒に実家まで連れて行ったり、「夕方だからまた明日にしようや」と声がけをする。
*猛暑の中、外を歩いている認知症の人に、水やアイスクリームを渡したり、「ヘルパーさんは○時に来られるよ」と声がけをする。
地域で認知症を理解する
地域で認知症について理解するために、北浜地区では島根県立大学短期大学部出雲キャンパスの山下一也副学長を講師に、3回にわたり研修会を行いました。
研修会には、延べ150人が参加し、認知症はどのような病気か、予防するためには適度な運動や栄養、社会的なつながりが必要であること、などを学びました。
今後は、地域での見守り活動をより進めていくために、認知症の人への関わり方の研修などを計画されています。
山根 民生児童委員 のお話から〜
一人暮らしの認知症の高齢者の「この地域で暮らしたい」という思いを尊重して、地域で支えていきたいと思います。また、「認知症になっても大丈夫」という地域にするには、認知症を丸ごと受け止めて、「認知症になる可能性は誰にもある」と思う人を増やしていくことが必要です。
今後、高齢者が気軽に参加できる「サロン」などの場を増やし、民生委員やボランティアが中心となって、地域で見守っていきたいと思います。
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