伊丹堂

 

 東林木町前口東町内の、斐伊川堤防の上にあります。近年までは、近くに松の木が一本植えられて

 いましたが、枯れてお堂だけ残っています。

 初代松江藩主松平直政公が、斐伊川堤防づくりに力を注いでおられた頃のある日、河原で鷹狩りを

 されたとき、かわいがっていた鷹が行方不明になってしまい、悲しんだ直政公は、渡橋の観音様に

 「お礼にお堂を建ててさしあげます」と祈願されました。鷹は間もなく帰ってきましたが、祈願したことを

 忘れてそのまま江戸に参勤交代となってしまいました。

 すると、直政公が眠っているとき、観音様のお使いとして何度も地蔵様が出てこられ「お堂を建てて

 ください」と言って夢に出て来るようになり、直政公は、この観音様を深く信仰され、慶安元年(1,648年)

  渡り橋の改築を行い、それに続いて完成した斐伊川の堤防の上に瓦葺のお堂を建て、堤防を守る佛

 として堤防下にあったお地蔵様を移して祀られた。

 また、斐伊川が洪水のため、斐伊川堤防が切れた時、赤いフンドシを着用して通りかかった旅人を

 人柱らとして、土手下に成られて松の木を植え堤防切壊を防いだと云われる伝説があります。

伊丹堂

地蔵堂の由来の立て札