○出雲市環境基本条例
(平成18年出雲市条例第33号)
改正
平成20年3月17日条例第20号
平成22年3月24日条例第13号
平成24年3月30日条例第1号
平成27年3月25日条例第26号
令和3年6月29日条例第25号
令和5年3月25日条例第3号
目次
第1章 総則(第1条-第7条)
第2章 環境の保全及び創造に関する基本的施策
第1節 環境基本計画等(第8条-第10条)
第2節 環境の保全及び創造に関する施策(第11条-第17条)
第3章 出雲市環境審議会(第18条-第28条)
附則
前文
私たち人類は、この地球に誕生して以来、大気、水、大地等の自然の恵みを受け、他の生物と相互に良好な関係を保ってきた。そして、出雲の先人たちは、国引き神話の地にある雄大な日本海と、緑あふれる山々、清らかな流れに育まれた豊かな自然の恵みの中で、優れた文化を創造するとともに、素朴で人情味豊かなまちを形作ってきた。これら豊かな自然の恵みをはじめとする環境は、先人から受け継いだかけがえのないものであり、私たちが健康で文化的な生活を営むうえで欠くことのできない財産である。
しかしながら、今日の大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会経済システムによりライフスタイルの利便性が高まった一方、環境への負荷が増大し、身近な自然環境などの形態が損なわれているだけではなく、地球上における環境容量の限界を超え、温暖化、酸性雨、オゾン層の破壊などすべての生態系の生存基盤である地球環境にまで大きな影響を及ぼしてきている。
恵み豊かな環境は、すべての生態系にとって最も大切なものであり、その環境を享受する権利を有することから、人と自然との共生と資源の循環を基本として、環境の保全及び快適な環境の創造に努め、より良好な環境を将来の世代に継承していく責務を負っている。
このような認識の中で、市、市民及び事業者がそれぞれの立場又は連携において環境の保全に取り組むことにより、環境への負荷の軽減を図り、快適な環境の創造に努めるとともに、より良好な環境を将来の世代に引き継いでいくことを決意し、ここに「出雲市環境基本条例」を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条
この条例は、環境の保全及び創造について基本理念を定め、市、市民、事業者及び旅行者等の果たすべき責務及び役割を明らかにするとともに、環境の保全及び創造に関する施策の基本となる事項を定めることにより、当該施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来における市民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条
この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1)
環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(2)
地球環境保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
(3)
公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状況又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の採取のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその成育環境を含む。)に係る被害が生ずることをいう。
(基本理念)
第3条
環境の保全及び創造は、市、市民及び事業者の公平な役割分担と連携により、すべての市民が健康で文化的な生活を営むことができる環境を確保し、これを確実に将来の世代に引き継いでいくことを目的として行わなければならない。
2
環境の保全及び創造は、人と自然との共生を図るとともに、歴史、文化等地域の特性を活かした潤いと安らぎのあるまちづくりを目的として行わなければならない。
3
環境の保全及び創造は、資源の循環を図ることにより、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の実現を目的として行わなければならない。
4
地球環境保全は、人類共通の課題であり、すべての者がこれを自らの問題として認識し、日常生活及びあらゆる事業活動において着実に取り組むことにより、積極的に推進しなければならない。
(市の責務及び役割)
第4条
市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)に則り、環境の保全及び創造に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、実施するものとする。
2
市は、市民及び事業者の自主的な環境の保全及び創造に関する取組みを支援するとともに、これに協力するものとする。
3
市は、環境の保全及び創造に係る広域的な取組みを必要とする施策については、国及び他の地方公共団体と協力して、その推進に努めなければならない。
4
市は、地球環境保全に係る取組みを必要とする施策については、諸外国の関係都市と協力して、その推進に努めなければならない。
(市民の責務及び役割)
第5条
市民は、基本理念に則り、日常生活において、資源の循環的利用、エネルギーの有効利用、廃棄物の排出の抑制等、環境への負荷を低減するように努めなければならない。
2
市民は、環境の保全及び創造に自ら積極的に取り組むとともに、本市が実施する環境の保全に関する施策に協力するように努めなければならない。
(事業者の責務及び役割)
第6条
事業者は、基本理念に則り、自らの責任において、事業活動に伴って生ずる公害を防止するとともに、環境を保全及び創造するために必要な措置を積極的に講じなければならない。
2
事業者は、事業活動において、資源の循環的利用、エネルギーの有効利用、廃棄物の発生及び排出の抑制等を推進するとともに、製品その他の物が使用され、又は廃棄されることによる環境への負荷を低減するように努めなければならない。
3
事業者は、その事業活動に関し、これに伴う環境への負荷の低減その他環境の保全に自ら努めるとともに、本市が実施する環境の保全に関する施策に協力するように努めなければならない。
(旅行者等の責務)
第7条
旅行等で市内に滞在又は通過する者は、市内での行動に伴う環境への負荷の低減に努めるとともに、市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力しなければならない。
第2章 環境の保全及び創造に関する基本的施策
第1節 環境基本計画等
(環境基本計画)
第8条
市長は、環境施策を総合的かつ計画的に推進するため、環境の保全及び創造に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。
2
環境基本計画は、次に掲げる基本方針に基づき、総合的かつ中長期的な施策の方向、その他環境の保全及び創造のために必要な事項について定めるものとする。
(1)
市民の健康の保護及び快適な生活環境の確保
(2)
循環型社会構築に向けた取組みの推進
(3)
それぞれの地域における自然、文化、産業等と調和の取れた景観の形成の創造及び保全の推進
(4)
人と自然との触れ合いの確保及び生態系に配慮した自然環境の保全
(5)
地球環境保全に資する取組みの推進
3
市長は、環境基本計画の策定にあたっては、市民及び事業者の意見が反映されるように努めるとともに、出雲市環境審議会の意見を聴かなければならない。
4
市長は、環境基本計画を定めたときは、速やかにこれを公表しなければならない。
5
前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。
(環境基木計画と他の施策との整合)
第9条
市長は、環境に影響を及ぼすと認められる施策の策定及び実施にあたっては、環境基本計画との整合性を確保しなければならない。
(年次報告)
第10条
市長は、市の環境の状況、環境施策の実施状況等について、毎年度市の環境に関する報告書を作成し、これを公表しなければならない。
第2節 環境の保全及び創造に関する施策
(環境の保全及び創造に関する学習等)
第11条
市は、市民及び事業者が、環境全般についての関心と理解を深め、自ら環境に配慮した活動ができるように、環境の保全及び創造についての学習及び広報活動を推進するものとする。
(情報の収集及び提供)
第12条
市は、環境の保全及び創造に関する活動を推進するために情報を収集し、市民、事業者等に提供するように努めるものとする。
(環境基準の設定)
第13条
市長は、生活環境を保全するために維持することが望ましい基準を定めることができる。
2
市長は、前項の基準を定めるにあたっては、出雲市環境審議会の意見を聴かなければならない。
3
前項の規定は、基準の改正について準用する。
(資源の循環的な利用等の促進)
第14条
市は、資源の節減及び循環的な利用、エネルギーの節減及び有効的利用並びに廃棄物の減量の促進を図るために必要な措置を講ずるものとする。
2
市は、再生資源その他環境への負荷の低減に資する製品、原材料、役務等の利用の促進を図るために必要な措置を講ずるものとする。
(推進体制の整備)
第15条
市は、市民及び事業者と連携し、環境施策を計画的かつ効果的に推進するために必要な体制の整備に努めるものとする。
(環境の保全活動に関する支援等)
第16条
市は、市民で組織する団体及び事業者が環境への負荷を低減するために行う自主的な活動について、支援その他の必要な措置を講ずるように努めるものとする。
(監視体制等の整備)
第17条
市は、環境の状況を把握し、環境施策を適正に実施するため、必要な監視、測定、調査等の体制の整備に努めるものとする。
第3章 出雲市環境審議会
(設置)
第18条
環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、出雲市環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。
(任務)
第19条
審議会は、市長の諮問に応じ、環境保全及び創造に関する基本的事項について調査及び審議し、意見を答申する。
2
審議会は、前項に規定する事項に関し、市長に意見を述べることができる。
(組織)
第20条
審議会は、委員20人以内で組織する。
2
委員は、次に掲げる者のうちから、市長が委嘱し、又は任命する。
(1)
識見を有する者
(2)
関係行政機関の職員
(3)
各種団体の代表者
(4)
その他市長が適当と認める者
(委員の任期)
第21条
委員の任期は、2年とする。
ただし、再任を妨げない。
2
補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(会長及び副会長)
第22条
審議会に、会長及び副会長を1人置き、委員の互選により定める。
2
会長は、会務を総理し、審議会を代表する。
3
副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるときは、その職務を代理する。
(会議)
第23条
審議会の会議は、会長が招集し、その議長となる。
2
審議会は、委員の過半数の出席がなければ、会議を開くことができない。
3
審議会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
(資料提出の要求等)
第24条
審議会は、必要があると認めるときは、参考人に意見を求め、又は関係者に対し、資料の提出及び協力を求めることができる。
(部会)
第25条
審議会は、諮問された事項を調査・審議するため必要があるときは、部会を置くことができる。
2
部会の名称及び部会に属すべき委員は、会長が定める。
3
部会に部会長を置き、部会長は部会に属する委員のうちから互選する。
4
部会長は、部会の事務を掌理し、部会において調査・審議した結果を審議会に報告しなければならない。
(委員の報酬及び費用弁償)
第26条
委員の報酬及び費用弁償は、特別職の職員で非常勤のものの報酬、費用弁償等に関する条例(平成17年出雲市条例第36号)の規定を適用する。
(庶務)
第27条
審議会の庶務は、環境エネルギー部環境政策課において処理する。
(委任)
第28条
この条例に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附 則
(施行期日)
1
この条例は、平成18年4月1日から施行する。
(出雲市環境審議会条例の廃止)
2
出雲市環境審議会条例(平成17年出雲市条例第336号)は、廃止する。
(出雲市環境審議会の委員に関する経過措置)
3
この条例の施行の際、現に前項の規定による廃止前の出雲市環境審議会条例第3条第2項の規定により同条例に規定する出雲市環境審議会(以下「旧審議会」という。)の委員として委嘱されている者は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)に、第20条第2項の規定によりこの条例に規定する出雲市環境審議会(以下「新審議会」という。)の委員として委嘱されたものとみなす。
この場合において、その委嘱されたものとみなされる者の任期は、第21条の規定にかかわらず、施行日における旧審議会の委員としての任期の残任期間と同一の期間とする。
4
この条例の施行の際に旧審議会の会長又は副会長である者は、施行日に、第22条第1項の規定により新審議会の会長又は副会長として互選されたものとみなす。
附 則(平成20年3月17日条例第20号)
この条例は、平成20年4月1日から施行する。
附 則(平成22年3月24日条例第13号)
この条例は、平成22年4月1日から施行する。
附 則(平成24年3月30日条例第1号)
この条例は、平成24年4月1日から施行する。
附 則(平成27年3月25日条例第26号)抄
(施行期日)
1
この条例は、平成27年4月1日から施行する。
附 則(令和3年6月29日条例第25号)
(施行期日)
1
この条例は、令和3年8月1日から施行する。
(出雲市環境基本条例の一部改正)
2
出雲市環境基本条例(平成18年出雲市条例第33号)の一部を次のように改正する。
第27条中「経済環境部環境政策課」を「地域環境部環境政策課」に改める。
附 則(令和5年3月25日条例第3号)
(施行期日)
1
この条例は、令和5年4月1日から施行する。
(出雲市環境基本条例の一部改正)
2
出雲市環境基本条例(平成18年出雲市条例第33号)の一部を次のように改正する。
第27条中「地域環境部環境政策課」を「環境エネルギー部環境政策課」に改める。