○出雲市まちづくり基本条例
(平成20年出雲市条例第63号)
出雲市は、二千年来の伝説とロマンに輝く出雲の地において、海、山、平野、川、湖など多様な自然資源と歴史文化の共通の基盤の上に、それぞれの地域の特色ある充実・発展と一体的・総合的な発展を期し、平成17年3月に誕生した。
この歴史的な新市発足当初の平成17年12月、出雲市は、合併後10年間の夢と希望を託す「21世紀出雲のグランドデザイン」を策定し、6つのまちづくりの基本方策を明示した。
以後、平成20年3月までの間、出雲市は、産業、観光、環境、安全・安心、景観、男女共同参画、芸術文化、青少年、スポーツ、福祉、がん対策、食育など、6つの基本方策の各分野におけるまちづくりの条例、計画等を制定するとともに、議会運営の基本や行財政改革、行政手続や情報の公開と保護に関する条例を制定し、出雲市発展のルールづくりを行ってきた。
これを受けて、この条例は、さらに出雲市のまちづくりに関する基本的な姿勢として平成17年3月に合併協議で合意された「住民が主役のまちづくり」、「地域特性が光るまちづくり」及び「地方分権時代に対応するまちづくり」の基本眼目を改めて明らかにするとともに、平成18年3月に次のとおり定めた「出雲市民憲章」のもと、市民のまちづくり参加や国内外他地域との交流、連携の基本指針を定めるものである。
出雲市民憲章(出雲市民の誓い)
世界に誇る「環境のまち」をつくります
自然を守り、美しく清らかな心を大切にする環境のまち出雲
世界に誇る「健康のまち」をつくります
平和を愛し、安心で生命(いのち)輝く健康のまち出雲
世界に誇る「教育のまち」をつくります
学びの志(こころざし)をいだき、ひとりひとりの夢を実現する教育のまち出雲
世界に誇る「文化のまち」をつくります
歴史と伝統を尊(とうと)び、未来を創造する文化のまち出雲
世界に誇る「産業のまち」をつくります
働く喜びをもち、地域を支え豊かにする産業のまち出雲
(目的)
第1条
この条例は、前文の主旨に則り、出雲市におけるまちづくりへの市民参加の基本指針などを定め、市民、市議会及び市行政が密接に連携、協働して、21世紀の地方分権自治の担い手にふさわしい出雲市のまちづくりを推進することを目的とする。
(定義)
第2条
この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1)
市民 市内に住所を有する者及び市内において事業活動その他の活動を行う者又は団体をいう。
(2)
市議会 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第2編第6章の規定に基づき置かれる議決機関をいう。
(3)
市行政 法第2編第7章の規定に基づき置かれる執行機関をいう。
(市民のまちづくり参加)
第3条
市民は、出雲市民憲章を道標とし、一人ひとりが自らの判断により、自らの意思で考え、多様な場でまちづくりに参画するものとする。
2
市民、市議会及び市行政は、出雲市民憲章のもと、相互理解と信頼関係に基づき、連携、協働して、まちづくりを進めるものとする。
3
市民、市議会及び市行政は、まちづくりに関する情報を共有するものとする。
4
市議会及び市行政は、市民の意向・意思が市政に適切に反映されるよう、情報提供と意見・提言の公募(パブリックコメント)に努めるものとする。
(地域社会)
第4条
市民は、町内会、自治会等において、個々のプライバシーを尊重しつつ、相互協力と連帯意識のもと、自由闊達(かったつ)な交流に努めるものとする。
2
市議会及び市行政は、市民が地域社会の一員としてそれぞれの役割を適切に果たす中で、暮らし豊かな地域社会の実現が図られるよう、町内会、自治会等の自主的な活動を支援するものとする。
3
市民、市議会及び市行政は、それぞれの地域において、特色ある自然環境との共生や伝統文化の尊重、多様な経済産業の発展を図り、豊かで魅力あふれるまちづくりを進めるものとする。
(国内外他地域との交流、連携)
第5条
市民、市議会及び市行政は、産業、経済、観光、文化、教育等の分野において、国内の他地域との交流、連携を積極的に進め、さらなる発展を目指すものとする。
2
市民、市議会及び市行政は、情報・交通革命が進展し、世界各地との時間距離が大幅に縮まる中で、海外諸都市との姉妹都市、友好都市等の関係を充実・強化し、相互の交流及び連携を通じ、それぞれの発展と世界平和に寄与していくものとする。
3
市民、市議会及び市行政は、国境を越えた市民の交流が日常的となる時代の中、快適なサービスの提供ともてなしの心の実践に努め、広く国内外に開かれた交流、連携のまちづくりを進めるものとする。
(地方分権時代への対応)
第6条
市議会及び市行政は、国及び県との関係が対等・協力という新しい関係へと変容する真の地方分権時代の流れに対応できるよう、市民の意識の啓発に努めるものとする。
2
市議会及び市行政は、市職員が市民の目線に立って、市民感覚で地方分権時代にふさわしい行政を担っていけるよう、その意識改革に努めるものとする。
(行財政運営)
第7条
市行政は、地方分権自治の担い手として、財源確保に努めるとともに、中長期にわたる財政見通しを展望することにより、自主的かつ安定的な行財政運営を推進していくものとする。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。