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旧大社駅

※現在、重要文化財旧大社駅保存修理工事を実施しています。
工事期間中は、重要文化財旧大社駅本屋の外観及び内部の見学はできません。
【工事期間】令和3年2月1日~令和7年12月20日(予定)


 重要文化財・旧大社駅は、出雲大社の門前町・大社町の表玄関にふさわしい、格調のある和風建築で、全国に3件しかない重要文化財駅舎のひとつです。
 西洋建築である東京駅丸の内駅舎、門司港駅舎(北九州市)に対し、和風建築はこの旧大社駅舎だけです。

写真1


 大社駅は、明治45年(1912)に国鉄出雲今市ー大社線の開通とともに開業しました。大正時代初期に神門通りが整備されると、出雲大社参拝のための利用者は前年の3倍以上の約5万人に増加し、駅舎は手狭になってしまいました。そこで大正13年(1924)2月に新たに建造されたのが、2代目の現駅舎です。
 黒瓦をのせた重厚な駅舎は、中央に破風(はふ)を備え、左右対称に広がる屋根には、棟の両端に鴟尾(しび)を、合掌部分に懸魚(げぎょ)をあしらうなど、和風趣向が際立ちます。設計者は当時の神戸鉄道管理局技手の丹羽三雄で、建築界の先駆者、伊東忠太が関与したと思われるデザインが各所にあります。特に屋根の下り棟の先端には、亀のいろいろな動きを模した瓦が使われています。伊東は同時期に出雲大社神苑の整備設計に携わっており、駅舎建築に際して何らかの助言を行った可能性があると言われています。
 

 写真2 
 鴟尾 

  

写真3
懸魚

 

写真4
正面屋根の鬼瓦(中央に動輪のマーク)    

 

写真5
屋根隅にのる亀の瓦(9箇所に置かれる)                     
          
 

 外観は純日本風の建物ですが、屋内中央の3等待合室は、天井が高く柱のない広々とした空間を形成しています。和風建築では作り出せない大空間は、屋根裏に「トラス構造」という西洋式の工法を用いることで実現しています。また、正面右手にある小さい部屋が1・2等待合室で、天井部には3等待合室にはないストーブ用煙突が立ち上がっていた痕跡が残っています。

写真6
屋根裏のトラス構造(三角形による骨組構造。東京スカイツリーにも採用された。)


 JR大社線は、平成2年(1990)3月31日に廃止されました。その後、平成9年(1997)に旧大社駅舎はプラットホーム等の鉄道施設及び鉄道敷地を含めて島根県指定文化財に、その7年後の平成16年(2004)には駅舎が国の重要文化財に指定されました。
  

 こぼれ話 駅舎の棟札

 棟札が発見されるまで、この駅舎は伊東忠太の設計ではないかといわれていました。ところが、平成2年の廃線後に行った建造物調査の際、駅舎の屋根裏で偶然、棟札が発見され、設計者が丹羽三雄であることがわかったのです。
 このとき見つかった棟札は、重要文化財の附指定(重要文化財の価値を裏付ける資料)となっています。

写真7 写真8
棟札 
 

地図情報

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