未盗掘の中村1号墳から金メッキされた馬具出土
07.08.22
出雲市文化財課
中村1号墳の概要
○出雲市国富町にある古墳時代後期(6世紀後半)の未盗掘古墳
○墳丘は30m以上の規模
○石室長は9.5m以上で県内5番目の規模、有力豪族の墓
1、石室内から馬具が3組出土(3頭分)・・・3組出土した例は、中四国地方で初めて
1、ハート形鏡板付轡(はーとがた/かがみいたつき/くつわ)・・・儀式用
2、花形鏡板付轡(はながた/かがみいたつき/くつわ) ・・・儀式用
3、素環鏡板付轡(そかん/かがみいたつき/くつわ) ・・・実用
馬具が3組以上出土している古墳・・・全国で10数例程度
綿貫観音山古墳★(群馬)、観音塚古墳★(群馬)、
白石二子山古墳○(群馬)、
上総金鈴塚古墳☆(千葉)、賤機山古墳○(静岡)、
玉里舟古墳(茨城)、興塚古墳(茨城)
藤ノ木古墳★(奈良)、湯舟坂2号墳☆(京都)、青松古墳(大阪)
寿命王塚古墳★(福岡)、才園古墳☆(熊本)
★出土品重文、国史跡 ☆出土品重文 ○国史跡
2、鍍金で装飾された馬具
3組の馬具のうち、2組が鍍金で装飾されている
ハート形鏡板付轡(はーとがた/かがみいたつき/くつわ)・・・1点
楕円形杏葉(だえんけい/ぎょうよう) ・・・3点
花形鏡板付轡(はながた/かがみいたつき/くつわ) ・・・1点
花形杏葉(はながた/ぎょうよう) ・・・3点
雲珠(うず) ・・・2点
辻金具(つじかなぐ) ・・・6点
金銅製鞍金具(こんどうせい/くらかなぐ) ・・・3点
帯飾金具(おびかざりかなぐ) ・・・8点
3、石室内の金属器・・・・60点以上
4、評価
中村1号墳から馬具が3組出土しました。3組のうち2組は鍍金(金メッキ)で装飾されていて、儀式に用いたもので、もう1組には鍍金はなく実用的に使用したものです。
1つの石室から3組の馬具が出土した例は、中四国地方で初の確認です。全国的にも3組以上出土した遺跡は10例程度しかないです。また、これだけまとまった量の馬具が出土した例は、奈良県の藤ノ木古墳以来(1985年)です。
馬具の残存状況は良好で、クリーニングすれば鍍金がきれいに見えて、当時の輝きを見ることができるでしょう。
古墳時代後期(6世紀―7世紀前半)の横穴式石室の多くは盗掘を受けていて、副葬状況が詳細にわかる遺跡は少ないです。このような状況で、未盗掘の中村1号墳から多くの馬具が出土したことは、古墳時代の社会状況を解明する鍵になるでしょう。

馬具の名称

轡(くつわ)3組

鞍金具(しおで)3組

鐙吊金具(あぶみつりかなぐ)とかこ2組

雲珠(うず)2組

楕円形杏葉と花形杏葉

辻金具(つじかなぐ)2組